ここではフランチャイズ展開をする飲食店運営ノウハウの中でも重要なコストコントロール、特に「人件費の適正化」についてお伝えします。
集客に関するノウハウは別ページ「法人営業」「クロスクーポン」などを、その他のコストコントロールでは別ページ「飲食ノウハウ(食材原価の適正化)」をご覧ください。
飲食店では食材原価と人件費が最も大きなコストであり、これをいかにコントロールつまり適正化するかが重要です。
中には、人件費を固定費と勘違いしている飲食店もあります。 もちろん、全員社員でしたら仕方がないのですが、アルバイトさんの人件費はコントロールできます。
人件費をコントロールする方法には、「時間帯別売上予測によるシフト組」「棚割り表の作成」「売上の増減対応シフト」「ピークタイムシフト」など様々な方法があります。
これらは全て人件費コントロールにおける手法です。
ただし、人件費コントロールを行うには、その前提として、「アルバイトさんを経営に参画させていること」が必要です。
アルバイトさんに経営を教え、利益の中から時給が出ている。利益が上がれば時給を上げることも可能である、 ということを理解してもらう必要があります。
更に飲食店で働くアルバイトさんは、他の業種に比べ、お金ではなく「成長したい」「認められたい」という思いが強いという調査結果もあります。
「うちのアルバイトは」「育てても結局いなくなってしまう」などと言わずに、アルバイトさんを一人の人間として育て上げるつもりで接していけば、戦力になります。
そして人件費コントロールにも繋がっていくのです。
もちろん、上記の手法(「時間帯別売上予測によるシフト組」「棚割り表の作成」「売上の増減対応シフト」「ピークタイムシフト」など)だけでも人件費を減らすことは可能ですが、フランチャイズ展開で成功するためにも、出来ればアルバイトさんの経営参画を目指したいものです。
フランチャイズの加盟店の中には、シフト組みに苦労しているお店があり、その多くは人件費が高くなっています。
「シフトが組めないから、店長や社員がその分働いて、人件費が低くなるのでは?」
と思う方もいるでしょう。
労働基準法上、店長や社員が働き過ぎるという問題を仮に無視しても、人件費は高くなります。
それはなぜか?
理由は大きく分けると2つです。
1)店長や社員がマネジメントに携われず、顧客満足度が低いお店になり、結果売上が上がらないから。
2)特定のスタッフ(パート・アルバイト)だけに頼り、社会保険の問題や時給UPが生じるから。
このような状態を解消する方法が「マルチポジション」という考え方です。
多くの飲食店では、 「キッチンスタッフはキッチンのみ、ホールスタッフはホールのみ」と切り分けて考えていますが、スタッフ全員がキッチンもホールも何でもこなせれば、シフトを組むのが容易になってきます。
「そんなの教育が大変だし、無理だよ」
と短期的な視点で物事を考えていては、この問題に限らず、全ての問題を解決できません。
将来的に運営が楽になるためにも、スタッフを採用する段階から、 「うちはマルチポジション制をとっている」と伝え、教育していきましょう。
また、キッチンの気持ちはキッチンをやった者、ホールの気持ちはホールをやった者にしか分かりません。
ホールとキッチンのスタッフがよくぶつかり合うようなお店は、提供速度が遅かったり、提供順番が適切ではなかったりなど、顧客満足度が低いお店が多いです。
お互いの気持ちを知り、連携がスムーズにいくようにするためにも、マルチポジションを取り入れ、飲食のフランチャイズ本部として人件費のコントロールと顧客満足度向上を行いましょう。